研究室の退去・退官で専門書を処分するには|静岡の古本屋が教える蔵書整理
こんにちは。古本買取歴34年以上、静岡の古本屋ブックボックスweb 店主の松本です。
「退官が決まって、研究室の蔵書を年度末までに整理しないといけない」「研究室の引っ越しで、専門書を大量に処分することになった」——毎年、年度末が近づいてくると、こういったご相談が増えてまいります。
大学の研究室には、長年の研究生活で集められた専門書・学術書が数百冊、多い先生ですと数千冊単位で眠っております。私も34年この仕事をやっておりますので、退官・退去に伴う研究室の蔵書整理は、それこそ数えきれないほどお手伝いしてまいりました。書架の前に立ったときの、先生方のなんとも言えない表情も、たくさん見てきました。長年連れ添った本ですものね、そう簡単に割り切れるものではないと思います。
この記事では、その経験から「研究室の専門書を処分するときの賢い進め方」をお伝えします。結論から申しますと、古紙回収に出すのは一番もったいない選択でございます。
目次
専門書は「古紙回収」に出すには惜しすぎる

大学の廃棄ルートや古紙回収にそのまま出してしまう先生も多いのですが、ちょっと待ってください。専門書・学術書というのは、駅前の古本チェーン店に並んでいる一般の古本とはまったく別の相場で取引されている世界なんです。
- 絶版になった学術書・研究叢書・記念論文集
- 医学・法学・工学・数学・歴史学などの専門書
- 洋書・原書のテキスト
- 学会誌・紀要のバックナンバー(揃いもの)
- 辞書・辞典類、全集、影印本
こうした本は、次の世代の研究者や図書館、その分野を勉強している社会人の方々が、今もずっと探し続けています。出版部数がもともと少ない上に絶版になっているものが多いですから、1冊で数千円、研究室まるごとですと数十万円規模の買取になることも珍しくありません。
以前、理系の先生の研究室にお伺いした際、「これは古いから値段つかないでしょう」と廃棄の山に積まれていた1970年代の洋書の中に、今でも参照され続けている名著の初版が混ざっていたことがございました。ご本人が一番驚いておられましたが、こういうことは本当によくあるんです。値段が付くかどうかの判断は、どうかご自身でなさらずに、私どもにお任せください。
処分方法は3つ。それぞれの向き不向き
研究室の蔵書の行き先は、大きく分けて3つございます。
1. 大学の廃棄ルート・古紙回収
手間は少ないですが、本は溶かされて紙に戻ります。費用がかかる場合もあります。研究の蓄積が文字どおり水に流れてしまうわけで、古本屋としては一番悲しい選択です。
2. 図書館・後進への寄贈
意義のある選択ですが、実は大学図書館は収蔵スペースの問題で、寄贈の受け入れをかなり絞っているのが現状です。「引き取ってもらえると思っていたら断られた」というお話は、先生方から本当によく伺います。受け入れてもらえるのは一部で、残りの行き先は結局考えないといけません。
3. 専門書を扱う古本屋への売却
手前味噌になってしまいますが、専門書の価値が分かる古本屋にまとめて売却するのが、手間・お金・本の行き先の3点で一番バランスの良い方法だと思っております。買取額が付く上に、本は必要としている次の読み手のところへ渡っていきます。廃棄費用もかかりません。
研究室の蔵書整理、スムーズな進め方

1. 期限から逆算して、早めにご相談を
退去・退官の蔵書整理のご依頼は、どうしても2月・3月の年度末に集中します。冊数が多い場合は搬出に複数回お伺いすることもございますので、退去日の1〜2ヶ月前にご相談いただけますと確実です。日程が決まっていれば、それに合わせて計画的にお伺いします。もちろん「来週までになんとか」というご相談も、これまで何度もお受けしてきました。できる限り柔軟に対応いたしますので、まずはご連絡ください。
2. 箱詰め不要、書架のままでOK
これはぜひ覚えておいていただきたいのですが、本は書架に並んだままの状態が一番査定しやすいんです。分野やシリーズのまとまり、揃いものの欠けの有無がひと目で分かりますので、正確に、そして高く査定できます。運び出しはこちらのスタッフが行いますから、先生ご自身で箱詰めしていただく必要はございません。腰を痛めますからね、数千冊の箱詰めは。エレベーターの有無と搬出経路だけ、事前にお知らせください。
3. 書き込みがあっても諦めない
研究者の蔵書に線引きや書き込みはつきものです。むしろ無い方が珍しいくらいで。一般書ですと減点要素になってしまうのですが、希少な専門書・絶版書は、書き込みがあってもお値段を付けられることが多いです。「書き込みがあるから」と事前に仕分けて捨ててしまう方がいらっしゃるのですが、これが一番もったいない。ご自身で判断なさらず、まとめてお見せください。
4. 分野の内訳がわかると話が早い
「医学書が中心で約2,000冊、洋書が3割ほど」といった具合に、おおよその冊数と分野を教えていただけますと、お電話の段階でだいたいの話ができます。書架の写真をLINEでお送りいただくのが一番手っ取り早いです。事前に概算の目安をお伝えすることもできます。
よくいただくご質問
Q. 大学までの出張に費用はかかりますか?
かかりません。査定料・出張料・キャンセル料はすべて0円です。査定額にご納得いただけなければ、そのままお断りいただいて大丈夫です。
Q. 買取できない本が出た場合はどうなりますか?
状態や内容によっては、どうしてもお値段を付けられない本も出てまいります。ご希望があれば、そうした本の引き取り処分についてもご相談に乗りますので、遠慮なくお申し付けください。
Q. 個人の書斎や、退職する病院・事務所でも頼めますか?
もちろんです。ご自宅の書斎、閉院される病院の医学書、法律事務所の判例集など、研究室以外のご依頼も数多くお受けしております。
静岡県内の大学・研究機関へお伺いします
ブックボックスwebでは、静岡市内をはじめ静岡県全域の大学・研究室・病院・法律事務所などへ、無料で出張買取にお伺いしております。県外の場合や少量の場合は、宅配買取(送料無料)もご利用いただけます。
詳しくは出張買取のご案内とFAQをご覧いただき、お問い合わせフォームまたはお電話・LINEからお気軽にご相談ください。
まとめ:研究の蓄積を、次の読み手へ
長い研究生活で集められた蔵書は、先生の研究の足跡そのものです。書架を眺めれば、どの時代に何を追いかけておられたか、私ども古本屋には見えてまいります。だからこそ、古紙として溶かしてしまうのではなく、必要としている次の読み手へつなぐ選択肢を、ぜひご検討いただきたいのです。
34年この仕事をしてきて、良い本が良い読み手に渡ったときほど嬉しいことはありません。期限が迫っている場合も、できる限り対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。お待ちしております。